【連載4回目】 モータドライバの作り方 MOSFETその2
どうも,今日は夕焼けが綺麗だったので写真を撮ってきました.機材はsonyのRX100M2です.
高級コンパクトカメラとして割りと有名です.RAW現像にも挑戦したいなぁ...
以前からだいぶ経ちました,以前の記事でいろいろご指摘を頂いたので修正を加えていく予定です.
さて,MOSFETを選ぶ上で重要なパラメータを挙げていきましょう.
ゲート-ソース間電圧Vgss[V]
ゲートとソースの間に印加できる最大電圧です.Vgss以上の電圧がかかるとゲートの酸化膜が破壊されたり,酸化膜内部のイオン増加による経年劣化が発生する可能性があるため注意しましょう.
ゲート閾値電圧Vth[V]
MOSFETのON/OFFが切り替わる時の電圧です.高速でFETをスイッチングするにはゲートの電圧をいかに早くVthに変化させるかが鍵となります.
トータルゲートチャージQg[C]
ゲートに電圧が加わった時,寄生容量 を充電するために必要な電荷量です.寄生入力容量と密に関係しています.入力容量が大きくなると,その入力容量を充電するために電荷量がたくさん必要となり.反対に入力容量が小さい場合には少ない電荷量で充電することができので,限定された電流で寄生容量を充電するにしても短い時間でゲート容量の充電に必要な電荷量が供給できます.よって,このゲート電荷量もFETのスイッチング時間を左右するパラメータとなっています.
このトータルゲートチャージは寄生容量C[F]とセットで書く必要がありますが,まとめきれてないので今回はパスでお願いします.
アバランシェ耐量EAS[J]
インダクタンス成分(モータのコイル,配線)が存在すると,回路に流れている電流を遮断する際に,インダクタ成分が蓄えたエネルギーをFETに寄生するダイオードを通って放出されます.この時放出されるエネルギーをアバランシェエネルギーといい,このエネルギーに耐えれる量を示します.この値が高いほど良いFETと言えます.詳しくはIR-AN1005 パワーMOSFETアバランシェ 設計ガイドラインをどうぞ,ここにきれいな数式の打ち込み方がまだわからないので貼っときます.(いずれ書きます...)
まだひつようなパラメータはたくさんあります(寄生容量とか超重要)が,他に書いとこと思ったこともあるので,今日はゲートドライバでも書くか?
ゲートドライバについて
FETを駆動させてやるにはゲート-ソース間の電圧を変化させてやればいいということはわかってもらえたかと思います.(?)しかし,FETには寄生容量が存在するため電圧を変化させてもすぐにゲートの電圧は変化しません.この容量を充放電するためにスイッチングの時だけ一時的にゲート電流が流れます.FETをONにするときは寄生容量を充電するために充電電流が流れ,OFFのにするときは放電するための放電電流が流れます,このゲートの寄生容量をいかに早く充放電できるかによってFETのスイッチング速度,スイッチング損失が決まってきます.ゲート寄生容量をどれくらい早く充放電できるかはゲートに瞬間的にどれだけの電流を流せるかによって決まります.
さて,モータドライバはFETを駆動してやるということで話を進めてきましたが,PWMのように高速でFETをスイッチングさせてやろうと思うと実はまだゲートに対しての電流が足りません.そこでゲートドライバを使用します.モータドライバのスイッチング速度はゲートドライバの性能に左右されるといってもいいんじゃないんでしょうか?
マイコンからの入力信号を元にFETのゲート電位を操作するための電力を供給し,かつマイコンなどの制御回路とFET,負荷(モータ)などの大電力回路との絶縁という役割をゲートドライバは担うことが多いです.このゲートドライバですが,東芝製の「TLP250」がわりと有名です.(まあTLP250自体はもうディスコンだけど)今度書きますが,FETのスイッチング時間はゲートドライバの流せる電流とゲート抵抗の値で決まります.なのでなるべく電流が流せるゲートドライバを選択した方がいいでしょう.東芝の他にも,ロボコンで使われるクラスのFETを駆動できるゲートドライバを製造しているメーカとしては,(リンクです)
- Analog Devices
- AVAGO Technologies
- Allegro MicroSystems
- intersil
- International Rectifier
- On semiconductor
等が挙げられます.
今日はゲートドライバについても触れました.また加筆修正します.今日はこのへんで