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yuqlidの日記

どっかの学生の雑記帳

【復刻】ロボコン向けモータドライバの作り方 Vol.1

もの作り 回路 モータ

書こうと思ったきっかけ

高専ロボコンがしたくて高専に入学,その後大学に進学して学生ロボコンをやっていまいたが,そのことはもっぱら回路やプログラムで,なかでもモータドライバという回路ばかり作ってました.
ここ数年で優秀な既製品のモータドライバが非常に沢山でてきました.高専,学生ロボコンをやってる人ならお世話になっているであろう朱雀技研さんがたくさん取り扱っています.
これをふまえて一つ言わせてください

そのモータドライバ,本当に作る必要がありますか?買ってこればいいものではないですか?

ロボコンに対する考えかたは人それぞれですが,僕は,ロボット「コンテスト」である以上,出場するからには結果を出すべきだと思います. ロボコンに出場して結果を出すという目的と,そのためには「強いモータドライバを作る必要がある」という手段,この2つが重なる人もいます.重ならない人だって当然います.後者の人にとってはモータドライバは買ってこればいいだけですからね.
それに「自作したほうが安い」という意見も見かけますが,それは量産時の基板1枚あたりの話ではないでしょうか.0からの開発費用を含めたら多分簡単に既製品を買って数を揃える値段をゆうに上回ることも十分ありえます.(現役時代はそうは思ってませんでしが,いまはちょっとそんな気もしています)
こんなネガティブくさいこと書きましたが,チームとしてモータドライバを作る技術を保有する,これも大切なことです.なのでロボコンをやる方々にはこれらのモータドライバに対する考え方について一度でいいので真摯に向き合ってただけると嬉しいです.

モータドライバを作るメリットだってもちろんあります.

  • 既製品を超えるものを作れる
  • モータドライバの回路のノウハウが身につく
  • (すぐに思いつかなかったけどもっとある)

僕の場合,最初の項目が主な動機でした.
なんだかんだ言ってもモータドライバを作りたい人の参考になればと,これまで自身が経験してきた高専,学生ロボコンで使われるようなモータドライバに必要だと思ったものをまとめていこうというのがこの記事の目的です.
以前コミックマーケット89で出した内容を書いていこうと思います.何回かに分けていく予定です.

そもそもモータドライバって何?

名前の通りモータ*1を駆動する回路です.電子工作などでモータを回す際にはマイコンか らの指令によってモータを自分の思い通りに回したいですよね?しかしマイコンのGPIOピンからは数mAの電流しか流せないため,モータをマイコンのみで制御するには無理があります.モータを駆動させる にはスイッチング素子を用いて大電流を流してあげる必要があります.このスイッチング素子がメインとなってモータドライバは構成されています.ロボコンでは主にMOSFETをスイッチング素子として使用していま す.モータドライバを製作するにあたり重要なのは

そのロボットの動作に要求される力学的エネルギー(回転数,トルク)より適切なモータを選定し,そのモータに十分な電気的エネルギー(電圧,電流)を与えられるように回路の仕様を決定すること

です. 正直なところ大は小を兼ねるので「どんな高出力のモータでも回せるように大きいの作ろう」という考えはアリだと思います.量産を考えたら,同じ回路を使いまわせたほうがなにかと融通はききますしね. ただ回路のスペースが無限に許されているわけではないので.小さく作れるに越したことはないかと.
加えて,あまりにもモータの出力を上回るようなモータドライバを使用すると,モータが先に壊れる可能性があります.モータ本体とモータドライバ,どっちが壊れたほうが高く付くか,なども場合によっては考慮しなければなりません.ですので程よく出力に適したモータドライバを作れることは大事だと思います.

ものづくりにおいて大原則ですが,
安全第一
を心がけてください.正直なところ,モータドライバという回路はとてもよく燃えます.正直燃やさないと自身のノウハウがつかないと思いますが,危険ですし,事故,怪我のものになりかねないので燃やさないにこしたことはありません(ですが覚悟はしてください),
また,マイコンを用いたような制御回路に比べて,高電圧,大電流を扱います*2.配線,接続には十分注意してください.

*1:電動機ともいう,ここでは電気的エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置を指す

*2:特に高専,学生ロボコンでは電源電圧に規定があるので電流が増える傾向にある